髪とメンタルケア

心身の健康は
髪の健康に繋がる

脱毛症・薄毛はストレスやメンタルヘルスとの関連が深く、多くの研究でその関連性が示されています。

ストレスや心の不調が原因かもしれない脱毛に、医学と心理の両面からアプローチします。

ストレス管理、漢方療法、睡眠改善サポート。ヘッドスパやマッサージを組み合わせた「メディカルヘッドケア」。

1. 円形脱毛症とストレス・メンタルヘルスの関連性

● 病態生理の理解

円形脱毛症は自己免疫疾患の一種で、毛包を標的としたT細胞性炎症が原因です。以下のように、精神的ストレスが発症・再発に強く関与しているとされています。

● 関連研究・エビデンス

  • ストレスとの関連
    研究によると、円形脱毛症患者の30~90%に、発症前の6か月以内に強いストレス経験があったことが報告されています(Ghanizadeh A et al., Psychol Health Med, 2008)。
  • HPA軸の関与
    精神的ストレスは視床下部-下垂体-副腎軸(HPA axis)を活性化し、コルチゾールを増加させます。これは免疫系の調節異常を引き起こし、自己免疫反応を誘発します。

● 精神疾患との関連

  • 円形脱毛症患者では、不安障害(GAD)やうつ病の併発率が高い。
  • 逆に、精神的疾患や情緒障害を背景に発症することもあり、「心因性脱毛症」と呼ばれることもあります。

2. 若年性脱毛とメンタルヘルスの関係

● 概要

若年性脱毛は男性型脱毛症(AGA)の早期発症型として現れることがあり、遺伝的要因とホルモン(DHT)が主因ですが、ストレスの関与も否定できません。

● ストレス要因

  • 若年層では、受験、就職、人間関係、SNSストレスなどが影響。
  • 慢性的なストレスはテロメアの短縮を引き起こし、毛包細胞の老化を促進。

● 心理社会的影響

  • 若年で脱毛が始まると、自己肯定感の低下、対人恐怖、不登校、社会的孤立など、2次的なメンタル不調が発生しやすい。

3. 薄毛・慢性脱毛症とストレスの関係

● 慢性的ストレスの影響

  • 慢性的ストレスは毛包の成長期を短縮させ、休止期脱毛(Telogen Effluvium)を誘発。
  • ストレス性脱毛は通常、3ヶ月遅れて出現することが多い(ストレス → ホルモン・免疫反応 → 毛周期の変化)。

代表的なストレス関連脱毛症

種類特徴ストレスとの関連性
びまん性脱毛症全体的に薄くなる精神的ショックや過労などが引き金
分娩後脱毛症出産後2~4か月で抜け毛が増えるホルモン変動+育児ストレス
拒食症関連脱毛栄養不足による毛包退縮摂食障害やボディイメージの問題
強迫性抜毛症髪を無意識に引き抜く精神疾患OCDの一種、ストレスで悪化